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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
今まで書いたもの一覧



連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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BIRS -- カナダにある数学研究所
カナダのバンフ(Banff)というところに来ています.ロッキー山脈の中腹にある景勝地で,標高が1500メートルぐらいあります.バース(BIRS, Banff International Research Station)という数学研究所の研究集会に参加していました.簡単ながら,今日も写真を数枚ご紹介.

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ロッキー山脈を背後にした会場の建物.



ここが会場.ここで行われる研究集会は小~中規模で,集会の定員は42名(まで)だそうです.



ゲストハウスにあるラウンジ.ビールやワインも買うことができ,夜にはくつろいで話ができます.左の棚には碁盤が見えます.(囲碁は,数学者には国境を越えて人気があるみたいです.)

以前に紹介した,ドイツのオーベルヴォルバッハ数学研究所に似ています.というか正確には,後で触れますが,オーベルヴォルバッハを一つのモデルとしてできた研究所です.

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プログラムが終わってから夕食まで,毎日少し時間があります.遊歩道に沿って山に登りました. Bow river という川がとてもきれいに見えるのですが,川の下の方に何やら‥


何と,川を渡るシカでした.

手つかずの自然に囲まれた環境です.実際,バンフは町全体が国立公園の中にあり,最近は,近くの国立公園と共に世界遺産に指定されたそうです.歩くどこもがすばらしい景観でした.



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バンフには,バンフセンター(英語サイト)という,音楽,絵,舞台芸術などの文化的な活動を受け入れ・支援している大型の施設があります.研究所BIRSはその一角にあります --- ということは,まぁここでは,数学も文化的な創作活動の一つと見なされているということかも知れません.

バンフセンター自体の設立は1933年ですが,BIRSができたのはかなり最近の,2003年のことです.ドイツのオーベルヴォルバッハ数学研究所やフランスの Luminy という数学研究所をモデルに,それに負けないような研究所が北米にも欲しいという声が高まり,カナダとアメリカの国際的な協力で実現したそうです.(そして,今はメキシコもスポンサーに加わっています.)食事もよく,またバンフセンターの中にはフィットネスジム,バー,高級レストランなども備わっています.非常に快適な環境で素晴らしかったのですが,これまでに注がれてきた資金の総量が桁違いなような気がして,何というか,ちょっと唖然ともさせられた滞在でした.

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写真 | 02:10:08 | トラックバック(0) | コメント(1)
AIM
今週はアメリカ数学研究所(American Institute of Mathematics, 通称AIM)に来ています.またしてもですが,写真を何枚かお見せします.

『アメリカ数学研究所』とはまたなかなかザックリした名前ですが,カリフォルニアのパロアルト (Palo Alto) という町にあります.(ちなみにパロアルトはかのシリコンバレーの北端に位置しています.)
さてここがAIMの入り口.


入るとこんな感じ.


参加者から大好評!?の朝食.

朝起きたら,ホテルから10分ほど歩いてここに着けばよいというので,たしかに実に便利.


今回は,少人数(6人)の研究仲間で集まって,ずっと議論をしようという企画に参加しました.今週は全部で3グループが集まっていて,そのうち僕らのグループが陣取ったのはここ.


ここもグループ研究用の一室です.ホワイトボード(か黒板)は,数学の議論をするときの最重要アイテムで,この部屋にも3面用意されています.

5時を過ぎたころ,なんとワインまで?

何ともいいサービスですねぇ.(弱くてほとんど飲めないのが残念.)

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ところでこの研究所,ごらんのとおり外の見える窓が(ひとつも!)ありません.なぜかというとこの研究所,閉店した大型店舗をいくつかに区切って,その一区画を使って作られた場所だからです.建物の外観はというとこんな感じ.

名前の割には小規模で窓すらなく,でも数日間研究するには快適で,手作り感のあるこじんまりとした楽しいところだなぁと思っていました.


ところが!部屋の中にかかっていたこの絵.

なんと新しいAIMが建設予定だそうで,これはその設計イメージだそうです.AIMはとある企業がスポンサーになって(1994年に)できたそうですが,それでこんなのが建つなんて,話のスケールがでかい...こんな立派な研究所ができたら今の「仮のAIM]は忘れられてしまいそうですが,だから逆に今回の経験はレアだったかも知れません.(?)

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外を歩けば,そこはただただ広い,アメリカの街の風景です.

写真 | 01:32:07 | トラックバック(0) | コメント(2)
高等研究所
プリンストン大学の近くに,高等研究所(IAS = the Institute for Advanced Studies,日本語ではプリンストン高等研究所とも)と呼ばれる研究所があります.プリンストン大学とは別の独立した組織です(←すぐ近くにあるだけにかなり紛らわしい)が,大学との交流も盛んです.春先の高等研究所の写真をお見せします.


メインの建物,フルド・ホール(Fuld Hall)の正面です.高等研究所の設立は1930年.アインシュタインを筆頭に(他にゲーデル,オッペンハイマー,ワイルなど)錚々たる物理学者・数学者が在籍し,20世紀の物理・数学の発展を牽引しました.各地で大学や研究所が増え,かつてほどの極端な影響力はなくなりましたが,数学の研究所としては今でも堂々たる世界ナンバーワンです.


ラウンジ.思索に耽るほか,くつろいだり新聞を読んだりもできます.(国際版の朝日新聞も置いてありました!)3時になるとティータイムで人がたくさん集まります.お茶菓子のクッキーはこの研究所の自家製だとか.


東側にあるいくつかの建物です.春先で木の花が咲いていました.


食堂のテラスから見た景色です.5月には木の葉が生い茂って木もれ日が心地よくなります.


知る人ぞ知る(?)林の中のつり橋です.Institute Woods という林の散歩道を歩いていると見つかります.広い林ですが歩道が目立っていて歩きやすく,ジョギングをする人も多いようです.


数学教室 (School of Mathematics) のメンバーは100名弱います.このうち常勤の研究者は10名ほどで,他は公募の上で選考されて1年か2年かだけ滞在する訪問研究者です.選ばれてここで研究できるのは栄誉なことですが,ここに滞在した若手研究者で,その後研究をやめてしまう人も実は少なくないのだとか.周囲の人が優秀に見えすぎてしまって自信を失うということがあるそうです.競争の中に身をおく厳しさは,どんなところにも,それぞれの形であるようです.

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1月20日ごろ,雪が降りました.少し前になりますが,このときの写真もお見せします.








写真 | 00:30:38 | トラックバック(0) | コメント(0)
オーベルヴォルバッハ数学研究所
長らく更新を怠り失礼しました.ドイツのオーベルヴォルバッハ(Oberwolfach)という数学研究所に行ってきていました.数学がなくてすみませんが,今日は写真を何枚かお見せします.

受付
研究所は山の中にあります.これはメインの建物で,食事もここでとります.

本館
そしてここが研究所「本館」.講義室が大小いくつかあって,階下には大きな図書館もあります.左には銀色の数学的オブジェが(少し小さく)見えます.

講義室
研究集会の会場となっている部屋です.発表の合間の休憩時間に撮りました.あまり人数が多くないほうが参加者同士が打ち解けやすく,気軽に議論できるだろうというコンセプトで,収容人数が最大50人ほどの小さな会場です.毎週異なったテーマで研究集会が開かれているようですが,参加者は常に40人~50人ほどになっています.今回参加したのは "Explicit Methods in Number Theory" という研究集会でした.

景色
そして実はこの研究所,シュバルツバルト(日本語では「黒い森」)の峡谷に立地していて,かなりの山奥にあります.フランクフルト空港から電車を乗り継ぐこと2時間余り,そして駅から送迎タクシーに乗って20分でようやくたどり着くところです.別荘地のようなところで,着いたら簡単には下山できません.

宿泊
というわけで,参加者は研究所内のこんなゲストハウスに泊まります.ベランダに椅子を出して座っている人が見えますね.部屋にはテレビや電話はなく,インターネットもできません.参加者は外界から隔離されてこの研究所に「カンヅメ」状態となります.

フランクフルト
参加者は1週間同じところに寝泊まりするということで,夜はビールやワインもある(有料だけど少額)し,またビリヤードやチェスのようなゲームをする人もいます.僕はビリヤードなんてできませんが.

フランクフルト
研究所の創立は第二次世界大戦中の1944年.もともと,戦争で科学者の知力を結集する必要性から創られた研究所で,空からの襲撃を避けるために山奥深くに建てられました.景色もよく空気もきれいで,今ではカンヅメになって数学の議論をする格好の場所となっていますが,研究所の歴史にはそのようなあやもあるようです.


写真 | 19:11:02 | トラックバック(0) | コメント(0)
バークレーの数学研究所
今週は研究集会に参加するため,カリフォルニア大学の中にある数学研究所(通称MSRI)に来ています.今日も番外編(+α)で,何枚か写真をお見せします.

MSRIの外観

これがその研究所です.山の頂上にあるので,ここまで来るには麓から出るバス(片道1ドル)に乗ります.

山の上

山上からの景色はきれいです.見えているのはバークレーの街並みです.

MSRI_address.jpg

MSRIの住所は『ガウス道17番』.これはガウス(Gauss,1777-1855)というドイツの数学者が,正17角形は定木とコンパスだけで作図できる(!)ことを発見したことにちなんでつけられた住所です.1番から16番まではありません.いかにも数学者が好きそうな決め方ではあります.

simon_audi.jpg

ここは大ホール.今回の研究集会の会場もここです.高いところから見下ろしながら講演を聞きたい人は,2階席に座ることもできます.

図書館の17角形

図書館内にも照明のデザインで正17角形が.『素数個の頂点を持つ正多角形で,定木とコンパスだけで作図できるものは?』というのは太古からある問題で,正3角形と正5角形の作図方法は紀元前に見つかっていました.しかし,その先の正7角形・正11角形・正13角形‥などは作図方法が全然見つからず,もう他にはないのではないかと思われていたようです.ガウスの発見は世界記録を2000年ぶりに更新するセンセーショナルな世界新記録でしたが,その根拠の追求が数学の発展にとてつもない影響を与えたという意味でなお,数学史上に残る事件でした.

deck.jpg

お昼時には人の集まるデッキです.ちょっとした別荘のようなところですね.時には外界から隔離される期間を持つことも,数学の研究には大切なようです.設立は1981年とMSRIの歴史は浅いのですが,今や世界でも割と主要な数学研究所の一つになりました.(お金の力?)

sunset.jpg


写真 | 23:53:19 | トラックバック(0) | コメント(2)
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