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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
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連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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ラマヌジャン
裳華房の連載コラム第9回が配信されています.今回は「ラマヌジャン」という題で執筆しました.

ラマヌジャン(1887-1920)はインド出身の数学者ですが,とびきりの異彩を放っています.正規の専門教育を受けないまま独力で数学を学び,欧州の数学界を心底驚嘆させる独創的な公式を生みだしました.ところが,公式の着想を問われると,本人は「夢の中で女神ナマギーリが教えてくれる」と答えていたそうです.この伝説と謎に包まれた数学者ラマヌジャンのことを紹介してみたいと思って書きました.写真は,インドのビルラ産業・技術博物館にあるラマヌジャンの胸像です.

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 ラマヌジャンはインドの中でも,南インドの出身です.今回の執筆を機に少し調べてみましたが,南インドは山河に護られ,地理的に隔絶した歴史を持っています.イスラムの影響を受けていない,ヒンズー・インド文化の宝庫のようです.ラマヌジャンもまた敬虔なヒンズー教徒で,ナマギーリはラマヌジャンの家系の神です.

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細菌学者ルイ・パスツールの「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」という有名な言葉がありますが,これはラマヌジャンについてもよく当てはまるように思います.実際に論文を読んでも,当時の西洋の数学者とは書き方や強調の仕方が違うと感じる部分があります.ラマヌジャンは周囲の数学者に,「神についての思索を表現しない方程式は僕にとっては無価値だ」と話してたそうです.不思議な物言いですが,ラマヌジャンにとっては主著論文も,女神ナマギーリから賜った数学を書き記したものであったのかも知れない---そんな気持ちになりました.

ラマヌジャンの文化的・宗教的背景はさておいても,ラマヌジャンの数学への取り組み方は,まさに数学者の鑑・お手本であるように思います.(が,矛盾することを言うようですが,人間としてはそうそう気安くおすすめはできません.彼のようなやり方ではとても身が持たないと思います.)


よろしければご覧ください.記事はこちらから⇒ラマヌジャン

数学者的思考回路 | 21:05:38 | トラックバック(0) | コメント(0)
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