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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
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連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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速報(楕円曲線の Selmer 群)
この研究集会で出会った,カール・ポメランスさんという方の話を近いうちに書きたいと思います.が,昨日のBhargavaさんの講演でかなり驚きの定理が発表されたので,以下簡単に速報を書きます.完全に研究者向けの話ですが,興味のある方は「続きを読む」からご覧ください.

(2月6日追記)この定理は,1月上旬にミネソタ大学で開かれた研究集会``First Abel Conference A Mathematical Celebration of John Tate''でも発表されていました.研究集会のウェブサイトからは,Bhargava さんの講演のビデオを視聴することができます.


Introductory Workshop: Arithmetic Statistics というワークショップに来ています.楕円曲線の階数やn-Selmer 群の位数の平均値について,Bhargava-Shankar によって大きな進展があったことは,ご存知の方には記憶に新しいことと思います.arXiv にあるプレプリント "Binary quartic forms ..."と"Ternary cubic forms ..."のそれぞれで,Q上の楕円曲線を height で並べた場合
2-Selmer 群の平均位数が3,
3-Selmer 群の平均位数が4以下,
であることがそれぞれ示されていました.前者の結果からは平均階数の上界として3/2が,また後者からは7/6が得られます.以前は有限であることも知られていなかったので,非常に大きな進展でした.証明にはそれぞれ,2元4次形式の空間 と,3元3次形式の空間 が使われていました.そして今回アナウンスされた結果は,
3-Selmer 群の平均位数が4,
4-Selmer 群の平均位数が7,
5-Selmer 群の平均位数が6,
だというものです.証明は,のほか後者2つには,4元2次形式の対の空間,5元交代形式5個組の空間が使わます.登場する空間はいずれも余正則空間と呼ばれるものです.余正則空間による『楕円曲線の高次合成則』が,体上の場合にかなり完成に近づいていて(もともとの高次合成則は整数環上),一方で counting のテクニックもいろいろ進展しているようです.
これらと,階数のparityの結果をいろいろ組み合わせると,height で並べたときの平均階数が1未満(0.99ぐらい?)になることが系としてでるようです.
番外編 | 23:26:09 | トラックバック(0) | コメント(0)
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