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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
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連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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素数のレース・3--ゼータ関数と複素数平面
前々回前回と,素数たちがレースを繰り広げている模様をお伝えし,レースの様子がゼータ関数・エル関数という関数たちと関係していると述べて終わりました.その関係について,研究の現状がまだまだ発展途上であることも含め,具体的に紹介します.少し数式が増えてしまいますがご了承ください.(数学のブログだからたまにはそういうことがあっていいですよね?)
キーワードはゼータ関数・エル関数の零点(れいてん)です.

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ゼータ関数は積の形で書くと,
という関数です.(分数の中に分数があって分かりにくい!と考えた場合,それぞれ通分して
と変形しても構いません.しかし,上の表示は変数 s が1ヶ所にまとまっているメリットがあるので,ここでは上の表示を採用します.)

そして,4で割った余りのレースは,
というエル関数が関係します.それぞれの因子にある1,-1はその素数が4で割った余りが1か3かに応じて決まり,また素数2のときは0になるのでした.同様に,3で割った余りのレースも,その様子を映し出すエル関数があります.それは
という関数です.今度は1,-1はその素数が3で割った余りが1か2かで,また素数3のときは0です.(同じLではごっちゃになるので,小文字を使いました.)

さて,これらの関数が素数と結びつくためには,変数 s は実数だけでなく,複素数にもなってもらわないといけません(!)言い換えれば, s は数直線上を動くのみならず,複素数平面上を動きます.---これはまことに突然も突然,唐突の話,エー!と驚いていただくよりないのですが,ともかくそういうことになっております.

複素数と複素数平面について少しだけ説明しますと,その考えは次の3ステップからなります.
 2乗すると-1になるような数 i があると想像する.つまり i2=-1.
 x,y を実数として,x+yi という形で表される数(=複素数)の世界を考える.
③ これまで xy平面上で(x,y) という実数の組を表していた点が,x+yi という複素数を表していることにする.そのように考えたときの平面を複素数平面という.

複素数平面

いずれのステップも,はじめてご覧になる方には受け入れがたいであろうかと思います.(高校の数学で①②が出てきます.③はそのときの指導要領によって,入っていることもいないこともあります.)こういった新しい”異質”な考え方を受け入れるためには,時間をかけて馴染むこと・その有効性を知ることの双方が必要でしょう---僕自身も受け入れ,納得するのには随分時間がかかりました.しかし,ここでその解説を展開するわけにもいきません.それは機を改めることにして,ここでは話を先に進めます.

複素数 x+yi で,xのことを実数部分(あるいは実部),yのことを虚数部分(虚部)といいます.一例として,「実数部分が1/2であるような複素数」の集まりが複素数平面上でどう位置しているかを図示すると次のようになります.
複素数平面1/2

また長くなりました.続きは近日公開します(必ず!)


コラム | 02:04:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
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