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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
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連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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円周率のもとめかた(続)--その1
円周率をもとめるのに,長さを測るのではどうしても精度に限界がある---このことは以前お話しました.今日は,ピタゴラスの定理を使って,比較的素朴なアイディアで円周率の近似値を求める方法を紹介します.

●   ●

半径1の円があれば,周長は2πです.この周長のおおざっぱな値を知りたい.そこで,この円に内接する正方形と外接する正方形を書いてみましょう.

naisetuen

ここでポイントなのは

(内接正方形の周長)<(円の周長)<(外接正方形の周長)

という関係です.半径が1だから,少し考えると,内接正方形の一辺の長さは√2(ルート2)と分かります.よって内接正方形の周長は4√2です.一方,外接正方形は一辺の長さが2なので,周長は8ですね.よって

4√2<2π<8   すなわち   2√2<π<4

√2=1.414...なので,π(パイ)は2.8以上4以下と分かりました.

●   ●

「分かった」と言うには,本当の値3.14...から比べるとなんともザツ(!)な近似です.ですが,ザツとは言っても理論的に大切な点がひとつあります.それは,下からも上からも限界を一つ与えることができたという点です.この詳しい説明は次回にまわすことにしまして,ともかく,角数を増やせば近似はよくなるはずなので,今度は正6角形の内接と外接を考えてみることにしましょう.
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今度は
(内接正6角形の周長)<(円の周長)<(外接正6角形の周長)

という関係を使うわけですね.最終的には,3<π<2√3という不等式が出てきますので,やってみてください.

●   ●

次は正12角形を考えてみましょう.これは内接12角形の図です.
naisetuen

だいぶ円に近づいてきて,近似もよくなってきそうです.正6角形の場合の計算が役立つので,それもヒントに考えてください.正12角形,正24角形,正48角形,‥と続けていくとどうなるか,そのあたりのことを次回お話ししたいと思います.

コラム | 03:05:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
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