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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
今まで書いたもの一覧



連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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数学セミナーのコラム『こどもの眼・おとなの頭』
数学セミナーという月刊誌に,この4月から「こどもの眼・おとなの頭」というコラムが連載されています.身近な現象を題材に,見え隠れする数学を,たっぷりの遊び心を織り交ぜて考えています.毎回4ページ読みきりの,楽しいコラムです.

●   ●

これまでの6回のタイトルを見ると,

   第1回 : オビ・クリップ・ワゴムの手品
   第2回 : せりあうべき
   第3回 : 確率のグー・チョキ・パー
   第4回 : ころがりつつ
   第5回 : ティーカップの音
   第6回 : リラックスして問題を解く

となっています.中身はと言うと --- 少し引用してみましょう.例えば第2回「せりあうべき」は次のように始まります.

『雨上がりの庭 --- 形,サイズ,色あい多種多様の葉の先っぽから,雫(しずく)がぽつん,ぽつん,としたたり落ちる.見慣れた風景である.しかしよく見ると,どれも雫の寸法はほぼ同じみたいだ.さしわたし1mmなんて小粒はないし,10cmなんてオバケもない.そういえば蛇口から漏れる水滴,軒先からの雨垂れも同じ位の寸法だったような気がする.ひょっとして世の雫は皆ほぼ同じ寸法なのだろうか?そうだとしたら何がその寸法を決めているのか?


この後コラムでは,このナゾを解決して,関連する現象にどんどん話題が広がっていきます.例えば,水の粒の集まりである雲はなぜ落ちてこない? / はばたいて飛ぶ鳥の大きさ / 頭蓋骨の縫合線 / 物体をよぎる流れ / などなど.

第3回の確率では,次のような問題が出てきます.

‥(中略)‥へんな例を挙げよう.ルーレットをくりかえし回し,つぎつぎに目を出す.簡単のため目が0~9しかないルーレットを使う.02と続けて出たら読者の勝ち,11と続けて出たら私の勝ち,とする.‥(中略)‥[勝負がつくまでルーレットを回し続けて]誰が頻繁に勝ちますか?自分の狙っているパターンが出るまでの平均待ち時間はどちらが短いでしょうか?

  02と11は等確率‥

‥と答えてしまっては誤り.正解は,02までの平均待ち時間は102回,11までの平均待ち時間は102+10回,なんと読者の02の方が確率的に早く出るのである.


これには僕もあっさりとひっかかってしまいました.(そればかりでなく,同僚の数学者に話してみても,一様に「ムム」と考え込んでいました.これが等確率でないとは,一見なかなか分かりにくい.文中にもあるのですが,「確率的な比較は,危なっかしいと言うか,面白いと言うか,落とし穴が多い」のです.)

●   ●

いろんなものを転がしてみたり(第4回),ティーカップをスプーンで叩いて音を比べたり(第5回).そして,謎解きの最中で,いい按配に数学が出てきます.作者はケンブリッジ大学の時枝正(ときえだただし)さん.ご本人によるユーモアのある挿絵も心が和みます.機会があればぜひ手にとって読んでみてください.

本などの紹介 | 00:53:34 | トラックバック(0) | コメント(0)
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