2014-06-15 Sun
xy平面上で,2点を通る直線の方程式は次のようになります.
これについて考えてみましょう.x1≠x2とします.
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上の式は,まず傾きを計算し,そしてP1を通ることから求めたもの.それは自然な導き方だけれど,P1とP2を対等に扱っておらず,式の上でも対称性が崩れている点が気にかかる.対称な表示はないのだろうか?右辺は,y1とy2の1次式だから,それらで分けて整理すると,
お,対称的な式になったぞ!?
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P1とP2を通っていることを確かめてみよう.x=x1とする.すると,第一項は約分できてy1になり,一方の第二項は,消えて0になる.だからy=y1+0=y1だ.P1(x1,y1)を通っている.そして,この仕組みはx=x2のときも同じだ.だから,ちゃんとP1とP2を通っていることがわかった.
変形した最後の式は,実は代数的な意味がとてもはっきりしている.ポイントは、
が
x=x1のとき1になり,x=x2のとき0になる
となることにある.もちろん,もうひとつの項も同様で,こちらは
x=x1のとき0になり,x=x2のとき1になる
という性質を持っている.だからこれらを組み合わせて,とすれば,x=x1のときy=y1になり,x=x2のときy=y2になるわけだ.
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話を発展させて,
を通る2次関数の式を求めてみましょう.3点のx座標はすべて異なっているとします.
A, B, Cには関数が入ります.どんな風にしたいかというと,たとえばAなら
x=x1のとき1になり,x=x2, x3のとき0になる
という関数にしたいわけです.ここから先は「続きを読む」に書きます.Aはどんな関数か,まず少し考えてみてください.
まず,『x=x2,x3のとき0になる』ことに注目してみましょう.
とすればここはうまくいきますね.ただ,x=x1のときは、(x1-x2)(x1-x3)で、1ではありません.どうしたらいいでしょうか??
そう、
と割ってしまえばいいのです.
で,BとCも考え方はまったく同じです.最終的に
が求める関数となります.
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x座標の異なる4点
を通る3次関数の式ならどうか.『同じ』ですね.今度は
のような関数を4個、考えればよいでしょう.一見複雑な式だけれど,どういう目的に沿って考えた式か意図が明瞭で,その意味では単純な式と言ってもいいのではないでしょうか.一般化すると、x座標の異なるn点を通るn-1次の関数を求めることになって,その答えの式は,ラグランジュ(Lagrandge)の補間多項式と呼ばれています.
今まで一次函数や二次函数などをこんな風に表したことはなかったです。新たな知識が増えました!
2014-06-18 水 15:25:45 |
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名無し
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ありがとうございます.こうやって基本的なところから話を広げていけるのは,数学の醍醐味のひとつだと思います.