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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
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連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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点と直線の距離の公式(中編)
前回は、

に対し、そのxとyの係数を取り出して作ったベクトル


とは何か?と問いを立てたところまででした。そこから続けようと思います。

●   ●

まずc=0のときを考えます。


このax+byは、ベクトルの内積と考えることができます。つまり、P(x,y)とすれば、


このようなPの全体を図示すると、次のようになります。

GRAPH

つまり
0は、原点を通りに直交する直線

です。よってはℓ0 に直交していることが分かりました。

では、c=0とは限らない一般のℓではどうでしょうか??

●   ●

一つ思いつくことに、


は平行だということがあります。それは、傾きを計算すれば当然です。だから、ℓ もに直交しているはずです。---でも、ちょっと待って欲しい。私たちはいま ℓ0を考えたとき、ℓ0の傾きは考えなかったし、気にもしなかった。また細かいことだけど、傾きを考えるなら、移項した後bで割るのだから、b=0のときの場合分けが必要になっている。それも何かひっかかりませんか?ℓ0のときは傾きを考えなかったのに ℓ のときは傾きを使う、それはひょっとすると ℓ の式を、ありのままよく見てはいないのではないでしょうか?

というわけで、傾きを使わない方法を頑張ってみましょう。次のようになります。ℓ の式はベクトルで、


です。このままでは分かりにくいですが、ℓ 上に1点P0を取ると、


ですから、

このようなPの全体を図示すると、次のようになります。

GRAPH

つまり
ℓは、P0を通りに直交する直線

です。(なおこの変形は、P0の座標をP0(x0,y0)とすると、


から辺ごとに引いて

と考えることもできます。)
●   ●

まとめると、係数を取り出して作ったベクトル

は直線

に直交しています。このようなベクトルを法線ベクトルといいます。

この法線ベクトル、点と直線との距離の公式を証明するには、便利そうじゃないですか?なんといっても垂線を下ろすわけですから。その垂線は法線ベクトルと平行なはずです。少し長くなったので、距離の公式は次回に証明します。また、平面内ならこの話はすべて「傾き」に話を置き換えてしまうことができますが、空間内ではこの考え方のメリットがよりはっきりしてきます。xyz空間内で、方程式


が平面を表すというのはよく知られたことですが、どうしてそうなのか、理由を簡明に述べることができます。また、空間内での点と平面の距離の公式なども作れます。---ぜひ考えてみてください。ではでは、また次回に。


コラム | 06:57:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
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