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谷口隆

Author:谷口隆
数学を題材に綴るというちょっと変なブログですが,楽しんでいただけたらと思います.いろいろな数学を取り上げ文字に起こすことで,『数学とはどんなものか?』ということを,読者の方と一緒に考えていきたいと思っています.本人は,整数論という数学の一分野を研究しています.1977年生まれ.
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連載コラム『数学者的思考回路』
(裳華房ウェブサイト,共著)

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余弦定理
三角形ABCについて,辺の長さを


のように a,b,c とおくと,


が成り立ち,余弦定理とよばれています.(注:余弦はコサインの日本語です.)が,これはより詳しく,第二余弦定理と呼ばれることがあります.その場合,第一余弦定理とは次の


を指します.なぜ第二余弦定理の方がメジャーで,称号「余弦定理」を獲得しているのか?端的に言えば,それは実用性の違いです.例えば aを求めるには,(1) なら b,c,Aの3つから計算できますが,(4)ならb,c,B,Cの4つが必要です.実際の計算に第一余弦定理を使うことはあまりありません.

では第一余弦定理の存在意義は何か?今日はこれをお題にしてみます.

●   ●

第一余弦定理のよさは何か.一つには,式の意味の分かりやすさがあります.コサインの定義を思い出しておくと,これは直角三角形で『斜辺分の隣辺』でした.だから,斜辺の長さをrとすれば,角θの隣辺の長さが r cosθ になります.

(ちなみに対辺の長さはr sinθ.)では(4)は何を意味するか.次のようにAからBCに垂線を下ろしてみましょう.

よぉく図を見てみると‥


そう,長さ a の線分BCを垂線の足のところで分けると,それぞれの長さは c cosB, b cosC ですね.これで a=b cosC+c cosB となって,(4)が証明できました.(注:ただしこの証明は,B, C の一方が鈍角のときは少し変更しなければなりません.垂線を下す方針は同様です.) (5), (6) も同じです.

●   ●

証明が簡単ならそれは当たり前の式でしかない?のかも知れません.でも,この(4), (5), (6) からは,第二余弦定理である (1), (2), (3) を導くことができます.どうすればよいでしょうか?(次回に続きます.)


コラム | 09:57:52 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
3本セットなのがポイント
はじめてコメントします.

これ,やってみたことあります.(1)と(4)のような対比ではなく,(1)~(3)と(4)~(6)とセットにしておくのですね.
2015-08-18 火 22:44:55 | URL | しお [編集]
しおさん,コメントをありがとうございます.おっしゃるとおり,3つセットにするのは一つのポイントですね.次回に,(1),(2),(3) と (4),(5),(6) の関係を考えます.
2015-08-20 木 21:19:48 | URL | 谷口隆 [編集]
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